はじめに
このドキュメントではCisco TelePresence ISDN Gatewayのトラブルシューティングの際に必要となるログなどの情報取得方法について記載します。
取得ログ
WebUI
ISDN Gatewayに接続できるPCのWebブラウザに、ISDN GatewayのIPアドレスまたはホスト名を入力し、adminユーザでログインしてください。
Status
General
Status > Generalで確認できる主な情報は以下のとおりです。
- Model: 機種
- Serial number: シリアル番号
- Software version: ソフトウェアバージョン
- Uptime: 稼働時間
- CPU load: CPU使用率
- System log: 前回再起動した日時と原因
ISDN
Status > ISDNでは、ISDN回線の接続ステータスを確認できます。
Health
Status > Healthでは、ISDN Gatewayのハードウェアの状態を確認できます。
設定バックアップ
Settings > Upgradeの「Save backup file」をクリックすると、設定バックアップファイルを取得できます。
ログ
診断情報
Status > Generalの「Download diagnostic information」をクリックすると診断情報のファイルを取得できます。
ISDN Gatewayが突然再起動した際など、システムの問題を調査するために使用します。
イベントログ
イベントログはISDN Gatewayが動作中に記録されるログです。
最大2000行が保存され、最古のものは順次上書きされますので、調査対象の問題が発生した際にはできるだけ早くファイルを取得してください。
レベル設定
Logs > Event capture filterでイベントログのレベル設定を行うことができます。
通常は全項目を「Errors, warnings and information」としてください。
設定変更は「Update settings」をクリックすると有効となります。
ファイル取得
Logs > Event logの「Download as text」をクリックするとファイルを取得できます。
「Clear log」をクリックするとそれまでの記録が消去されます。
イベントログのレベルを変更する例
調査対象の問題によって、変更する項目・レベルは異なります。
以下に例を示します。
- コールが接続できない、すぐに切断される問題
- CONNECTION、DIAL_PLAN、dspapi、H.320、ISDNを「Errors, warnings, information and trace」とする
- コールは接続されるが、音声・ビデオに問題が生じる
- BASを「Detailed trace」とする
- CONNECTION、DIAL_PLAN、dspapi、H.320、ISDNを「Errors, warnings, information and trace」とする
- ISDN回線に問題がある
- ISDN_Q921、NATを「Detailed trace」とする
- ISDNを「Errors, warnings, information and trace」とする
ログレベルを変更すると、出力される行数が多くなります。ログが流れてしまうことを避けるために以下の点に注意してください。
- Logs > Event logで「Clear log」をクリックし、これまでの記録を消去してからログレベルを上げてください。
- ログレベルを上げたあと、速やかに調査対象のコールを実施し、問題事象が確認され次第に速やかにログファイルを保存してください。
- 1度のログ収集では1つのコールを実施してください。複数コールの記録を収集する場合、都度「Clear log」してから改めてログを取得してください。
ログレベルを上げると、ISDN Gatewayの処理負荷が上がりますので、ログ取得完了後はすべての項目を「Errors, warnings and information」に戻してください。
H.323/SIPログ
ISDN GatewayのH.323/SIPコールに問題が見られる場合に取得するログです。
このログは、有効にしている期間に記録します。通常は無効としてください。
取得する際にはLogs > H.323/SIP logで以下の手順を実施してください。
- ログ取得が無効となっていること(「Disable H323/SIP logging」がグレーアウト(クリックできない状態)となっていること)を確認(「Disable H323/SIP logging」がクリックできる状態であればクリックする)
- 「Clear log」をクリックし、既存の記録を消去
- 「Enable H323/SIP logging」をクリックし、ログ取得を有効とする
- 調査対象のコールを実施し、問題事象が発生することを確認
- 「Disable H323/SIP logging」をクリックし、ログ取得を無効とする
- 「Download as XML」をクリックし、ファイル取得
- 「Clear log」をクリックし、既存の記録を消去
CDRログ
CDR(Call Details Records)ログにはISDN Gatewayが処理したコールの情報が記録されます。
Logs > CDR logから設定・取得することが可能です。
CDRログは「Enable CDR permanent storage」とするとISDN GatewayのCFカードに保存され、「Disable CDR permanent storage」とするとISDN Gatewayのメモリに保存されます。前者の方が保存できる件数が多くなります。いずれの場合も他のログ同様、ログ出力が保存できる最大量に達した場合、最古のものから上書きされます。
ログファイルは「Download as XML」をクリックして取得します。
下記File Format Reference GuideにCDRログの詳細な説明を記載しています。
MCU、TelePresence ServerなどのCDRログについても記載してあります。
Cisco TelePresence Conferencing Call Detail Records - File Format Reference Guide
http://www.cisco.com/c/dam/en/us/td/docs/telepresence/infrastructure/mcu/admin_guide/cisco_telepresence_infrastructure_cdr_reference_guide.pdf
Auditログ
Auditログはネットワーク・セキュリティ・ダイヤルプランの設定変更を記録します。
「Enable auditing」としている間に記録され、ファイルはLogs > Audit logから取得することができます。
コンソール
ISDN Gatewayのコンソールポートにシリアルケーブルを接続し、コマンド実行やログ表示を行うことが可能です。
コンソールポートへの接続については下記ドキュメントに記載しています。
Connecting to the console port on a Cisco acquired Codian unit
http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/telepresence/infrastructure/articles/cisco_telepresence_connect_console_port_kb_6.html
ISDN Gateway 3241の初期設定はシリアルコンソールで行います。
ISDN Gateway 3241 Getting Started Guide - 8ページ「Initial configuration」
http://www.cisco.com/c/dam/en/us/td/docs/telepresence/infrastructure/isdn_gw/install_guide/isdn_gw_3241_getting_started_feb2013.pdf
シリアルコンソール設定
WebUIのSettings > Securityの「Serial console settings」でシリアルコンソールの各種設定を行うことができます。
- Hide log messages on serial console
チェックすると、シリアルコンソールにはログを表示しません。
- Disable serial console input during startup
チェックすると、ISDN Gatewayの起動時に出力されるメッセージをシリアルコンソールに表示しません。
- Require administrator login
チェックすると、シリアルコンソールにアクセスした時にadministratorユーザでのログインが必要となります。
- Idle serial console session timeout
Require administrator loginにチェックをしている場合のみ有効です。
操作がなかった場合にシリアルコンソールへのログインを自動的解除する時間(分)を指定します。
設定変更後、Update console settingsをクリックすると設定内容が反映されます。
コンソールコマンド一覧
コンソール接続するとコマンド入力を促すプロンプトが表示されます。
「help」または「?」で実行可能なコマンド一覧が表示されます。
「status」コマンドでEthernetポートのステータス(Link速度、IPアドレスなど)を確認することができます。
パケットキャプチャ
Cisco TelePresence MCUと同じ方法(コンソールで取得開始/停止し、WebUIからファイルダウンロード)でパケットキャプチャを取得することができます。
MCUでのパケットキャプチャ取得方法
https://supportforums.cisco.com/t5/-/-/ta-p/3138886