2016年10月27日(初版)
TAC SR Collection |
主な問題 |
ASR9000 シリーズルータにおいて、BNG (Broadband Network Gateway) 機能を使用し、Dual セッション (ipv4 及び ipv6 の dual stack) の接続及び切断がある環境で、RSP/RP 上の lpts_pa process のメモリ使用量が際限無く上昇する場合がある問題が報告されています。
メモリの増加状況の出力例
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K#show processes memory location 0/RSP0/CPU0
JID Text Data Stack Dynamic Process ------ ---------- ---------- ---------- ---------- ------- 320 151552 208896 77824 1139208192 lpts_pa <<< 1.1 G 程 lpts_pa が dynamic memory を確保している 248 798720 1699840 180224 222932992 iedged 374 638976 241664 126976 205578240 ppp_ma 341 155648 139264 208896 190648320 netio - snip -
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原因 |
この問題は BNG dual セッションが切断された際に、ipv6 nd idb エントリが正常に削除されず、不要なエントリが残り続けることが原因となり CSCuz88217として報告されています。
CSCuz88217: 611-15i:The ND idb has stale subscriber intf details in LPTS bindings
ipv6 nd idb エントリ毎に、LPTS の binding が作成されるため、結果的に lpts_pa のメモリ使用量が増えます。
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解決策
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以下のコマンドで、ipv6_nd process の restart を行うことで、本不具合によって増大した lpts_pa の使用メモリを減らすことができます。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR9K#process restart ipv6_nd ※環境によっては、lpts_pa のメモリが完全に解放されるまでに 数十分程度、時間を要する場合があります
process restart に際して、ASR9K 上を流れるトラフィックに直接的な影響はありませんが その他のアプリケーションプロセスが ipv6_nd を一時的に利用できなくなるため、 例えば新規の PPPoE session の確立に一時的に影響が出ること等、機能的な影響が想定されます。
また、特にメモリ使用量が増えることで、トラフィックやシステムに直接的な影響はありませんが システム全体の使用可能なメモリ量が逼迫することで、環境によっては影響が出る可能性があります。
メモリ逼迫の際の挙動及び影響に関しては、以下のドキュメントを参照してください。
IOS-XR: wdsysmon プロセスによるメモリー状態監視
問題の解決には CSCuz88217 の修正されたバージョンを使用する必要があります。
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備考
本不具合は、Bug Search Tool でも確認できます。