はじめに
PresenterTrack (プレゼンタートラック)はシスコのテレプレゼンスエンドポイントをトレーニング用途で利用する際に、発表者の動作に合わせ映像を最適化するために生まれた機能です。今まで手動で動作させる必要のあったカメラ操作を全自動で専任の担当者なしに利用することができます。社内トレーニングやプレゼンテーション、大学の遠隔授業などで活用できます。
PresenterTrackの動作と設定方法を解説します。
この機能は CE8.1 以降のMX700, MX800 および Precision Camera 60 を搭載したSX80、同じく CE9.5 以降の Precision Camera 60 を搭載した Room Kit Plus / Room Kit Pro で動作します。また、 Room 55 Dual, Room 70S/70D に Precision Camera 60 を追加した場合でも動作可能です。
PresenterTrack (プレゼンタートラック) の利用シーン
トレーニングルームやプレゼンテーションのシーンで、リモートの参加者が喋り手に集中できるような映像を届けることができるのがPresenterTrack機能になります。
スピーカーは演台に立ちプレゼンをしています。演台の位置に事前にトリガーとなる場所を設定することで、顔を自動検知します。
リモートには紫の色の部分が見えています。
説明のため移動します。映像はそのスピーカーが中心に来るようにフォローしていきます。
新しい位置でも引き続き映像がスピーカー中心になるように調整されます。
資料は別ソースで送られてくるため、リモートの参加者は違和感なく現地で目線をスピーカーに合わせているようにセッションを受講することができます。スピーカーがカメラで追いきれない位置に移動する(フレームアウト)することで PresenterTrack モードが終了します。
詳しい動作は Project Workplace のトレーニングルームをご参照ください。
SpeakerTrack 機能との違い
SpeakerTrack 機能が多人数会議での話者に対して最適なビデオを送るのに対し、PresenterTrack 機能はスピーカー1名に対し話者が中心に来るように映像を最適化します。
SpeakerTrack 機能は顔検知に加え発言の音量をチェックしますが、PresenterTrack は顔検知だけのため、会場のマイク・スピーカーと併用することができます。
SpeakerTrackはカメラが上下左右に移動(パン・チルト)しますが、PresenterTrackはカメラ固定状態でのデジタルズームで実装されます。
SpeakerTrack 機能と組み合わせることでスムーズに会議からプレゼンに移ることもできます。
https://www.youtube.com/watch?v=qpGBbc_oPXc
設定方法
Setup > Camera からPresenterTrack を ONにします。
Enabled : True
Setup > PresenterTrack という項目が増えるので選択します。
Enable PresenterTrack にチェックが入っていることを確認し、Configureをクリックします。
Web上にプレゼンタートラックのトリガーとなる顔の検知位置を青枠で指定します。この青枠は、ディスプレイ上でも確認可能です。
広めにかつ余計な場所で検知しないようにします。
PresenterTrack機能のオン・オフはタッチパネルから利用者が設定可能です。カメラの位置の「プレゼンタ」が青くなっている時に機能が有効です。
PresenterTrackの機能設定の権限を管理者ではなく、より利用者に近いユーザに任せたい場合、Security > User から Integrator ユーザを作成することで、 PresenterTrack設定が可能かつ余計な設定ができないユーザを作成可能です。
注意点
- PresenterTrack 機能はカメラ動作を固定しスピーカーに対してデジタルズームすることで動作します。通常のモードより画面が荒くなることがあります。
- Cisco Spark Room Kit Plus は Precision Camera 60 をサポートしますが、PresenterTrack はサポートしません。
- Spark 登録の場合、Cloud Collaboration Management から Advanced Settings で設定可能です。
- 内蔵マルチサイトおよびマルチストリーム環境ではPresenterTrackは動作しません。