このドキュメントでは、Cisco TelePresence MCU(以下MCU)の会議において、資料共有の画質が低下する要因について説明しています。
- メインビデオチャネルと資料共有チャネルのエンコードについて
MCU は、例えば、3つのEndpointがMCU上で会議を持つとする場合、それぞれのEndpointから受信したメディアを、それぞ れのEndpointに適したCodec(ビデオならH.261, H.263, H.264、オーディオならG711,G.722,AAC-LDなど)にトランスコードして送信します。
一方、資料共有は、その送信元Endpointから受信した資料データをMCUが単一のメディアストリームとして送信します。すべての受信者は一 つのエンコードされたメディアストリームを見ることになります。個別のEndpointごとにはエンコードしません。
- KeyフレームとFast Update Request(FUR)について
ビデオ会議システムで送受信されるビデオは、定期的に送信されるKeyフレーム(1画面 分の全データ)と、その間に送信される差分フレームで構成されます。
あ るEndpointがMCUとの間に、資料共有のチャネルでパケットロスを検出し、再送要求(Fast Update Request)をMCUに対して送信すると、MCUはその資料共有のストリーム上で、Keyフレームを送信します。そのKeyフレームは、すべての資料 受信者に送られることになります。Keyフレームは差分フレームに対してデータ量が非常に多いものです。
Key フレームを受信すると、受信者側では資料映像がリフレッシュされるのですが、Keyフレームはトラフィックを増やすことになりますので、パケットロスが起 こっている環境のEndpointでは、Keyフレームによってさらにパケットロスが発生する可能性があります。そうなると、さらにFURをMCUに送信 することで、MCUがKeyフレームを送信する、、、、という悪循環になり、
- パケットロスが起こっていない他のEndpointでも資料画面が頻繁にリフレッシュされる
- パケットロスが発生しているEndpointからMCUに対して、資料チャネルのダウンスピードがリクエストされ、その結果MCUが資料の送信元にダウンスピードを指示する
ということで、全員が低品質の資料チャネルを見ることになりえます。
弊社のKnowledgebaseの下記の記事に、いくつかの対処方法が記載されております。
http://www.cisco.com/en/US/docs/telepresence/infrastructure/articles/mcu_improve_quality_content_channel_kb_156.shtml
以下に抜粋いたします。
- go to Settings > Content and from the Video fast update request filtering setting select Enabled.
特 定の拠点からの資料のチャネルに対するFUR(Fast Update Request)の受信数が、一定期間閾値を超えると、FURを無視するようになります。それによって、他の拠点で資料の頻繁な更新による品質の低下を緩 和します。この機能が働くと、以下のようなメッセージがMCUのイベントログに記録されます。
・participant xxxx: starting to ignore incoming H.239 fast update requests
・participant xxxx: no longer ignoring incoming H.239 fast update requests
- To prevent one slow participant reducing the bandwidth for all content viewers, you can stop the content channel to that participant in the Conference > Participants page by clicking the disable link for that participant's content.
特定の拠点が、他の拠点に比べてMCUからの資料の送信転送レートが低い場合、そ の 他のすべての資料を見ている拠点への転送レートに影響します。そのような場合、MCUのConference > Participants ページで、その拠点のContent txの「disable」をクリックして、その拠点への資料共有を止めます。これによって、他の拠点の資料共有品質の低下を緩和します。
その他にも、上記のリンクには情報がありますので、ぜひご覧ください。
また、下記のCisco Support Community情報も参考になると思いますので、ご覧ください。