はじめに
2017年4月10日に新しいTelePresence Endpoint ファームウェア CE9.0.1がリリースされました。CE 8 との差分をリリースノートを元に解説します。
Cisco TelePresence CE Software (CE9) リリース ノート (日本語訳版)
新機能1. Cisco Spark Room Kit のサポート
Cisco Spark Room Kit シリーズのうち Cisco Spark Room Kit をサポートしました。
主な特徴は下記のとおりです。
- スピーカートラック
- ベストオーバービューモード
- WiFiサポート
- Roomアナリシス
- COPファイルによるアップグレード
- 4K スクリーンのサポート
新機能2: Activity Circle ユーザインターフェース
Touch 10 / TRC 6/DX タッチパネルをより進化した利用者にやさしいインターフェースに変更しました。
- Touch 10 Update
- 新しい電話帳と共有トレイUI
- Touch 10/DX キーボードの操作性向上
- Touch 10 からの全転送
新機能3: モーション検知による起動
新機能4: In-Room Control エディタの向上
そのほかの変更
- HTTPS クライアント証明書のサポート
- ブリーフィングルームコントロール
- Web UI: ローカル連絡先 (Local Contacts) が お気に入り (Favorites)に変更
- ポルトガル語のサポート
新機能のご紹介
新機能1. Cisco Spark Room Kit のサポート
新しい TelePresence Endpoint Cisco Spark Room Kitをサポートします。名称に "Spark"と入っていますが、今までの TelePresence製品同様にオンプレミス展開(H.323 Standalone/VCS/Expressway/Cisco Unified CM)とクラウド展開 (Cisco Spark) 両方をサポートします。
Unified CM 9.1 以降にDevice Packagesをインストールすることで利用可能です。
スピーカートラック
スピーカートラック機能は SX80/MX700/MX800/MX800 Dual に加え、Cisco Spark Room Kit もスピーカートラック機能をサポートします。今までの PTZカメラではなく、デジタル技術による現在の話者をフレームに収めるスピーカートラック機能が内蔵マイクにより利用可能です。
ベストオーバービュー
Cisco Spark Room Kit の顔検知技術により、自動的に会議室での一人またはグループの最適なオーバービュー(全体像)を決めることができます。
もし、会議の参加者が別の場所へ移動したり、追加の参加者が来た場合でも、この機能によりどの位置取りが最適なのかを決め映像にすることができます。スピーカートラック機能とともに最適な会議環境を作り出すことができます。
Wi-Fiサポート
Cisco Spark Room Kit は Wi-Fi による接続をサポートします。ただし、この機能を利用するにはTouch 10が専用ポートによるダイレクトペアリングである必要があります。
IEEE 標準 | セキュリティ |
IEEE 802.11ac/IEEE 802.11n IEEE 802.11a IEEE 802.11g/IEEE802.11b | WPA-PSK(AES) WPA2-PSK(AES) |
エンタープライズレベルのセキュリティ機能は今後のバージョンで利用可能になる予定です。
有線Ethernet による接続が常に Wi-Fi 接続よりも優先されます。
Room アナリシス
顔検知機能により、ビデオ会議中の参加人数をカウントすることができます。このデータは会議室の利用状況調査に利用可能です。サードパーティによる手動または自動でシステムのAPIや通話履歴からデータを取得できます。
COPファイル形式によるアップグレード
Cisco Spark Room Kit は COP ファイル形式 (Unified CMで利用される形式) をつかって端末のWeb UIから直接アップグレードできるようになりました。この方法が利用できるのはCisco Spark Room Kit のみとなります。
Cisco が推奨する UHD 対応 スクリーン
Cisco は高品質のHDMI 2.0 認定ケーブルを推奨します。低品質のケーブルも利用可能ですが、画質に影響がある可能性があります。もし高品質ケーブルがない場合は、短い HDMI ケーブルを利用してください。
新機能2: Activity Circle ユーザインターフェース
CE9 Touch 10 UI では Cisco Spark 登録エンドポイントの Touch 10 や DX UI に最適化するため、新しい ユーザインターフェースに変更しました。
なお、CE 8 と比較すると下記の機能が制限されています。お客様からの要望に応じて今後の実装を検討中です。
機能名 | CE8 | CE9 |
設定画面へのパスワードによるアクセス制限 | はい | 今後の実装 |
英語以外のキーボード | はい(いくつかの西洋言語) | 今後の実装 |
電話帳からの通話帯域調整 | はい | 今後の実装 |
ホワイトボード最適化設定 | はい | 今後の実装 |
アラビア語・ヘブライ語(右から左への綴り言語) | はい | 今後の実装 |
各種手動設定 - 時計
- ネットワークデュプレックス
- DNSドメイン
- 自動応答
- デフォルト通話帯域
- カメラホワイトバランス
- 光源による影響の調整
- DVI出力モード
- メインソース選択
- スピーカートラック調整
- マルチポイントモード設定
- 着信音設定
- 着信音音量・キートーンオン・オフ
| はい | Web UI による設定 |
新しい電話帳と共有トレイUI
電話帳と共有時のトレイがアップデートされました。電話帳と共有トレイはフルスクリーンで表示されます。
Touch 10/DX キーボードの操作性向上
Touch 10 キーボードおよびダイヤルパッドが大きくなりました。特殊記号のページが追加されています。
TRC6/Touch 10 からの全転送(すべてのコールの転送先)
Cisco Unified CM 登録時の全転送が Touch から設定できるようになりました。すべての着信を特定の番号に転送可能です。(ボイスメールなど)
この機能を利用するには Cisco Unified CM 登録が必須です。
新機能3: モーション検知による起動
会議室に入室した時の音声技術によるモーション検知によりスタンバイモードからの復帰が可能です。システムは自動的に復帰します。この機能はデフォルトでは無効になっており、有効化するとマニュアルによるスタンバイモード移行ができなくなります。
新機能4: In-Room Control エディタの向上
新しい見た目と向上したロジック、そしてより効果的なコントロール画面に進化しました。加えて方向パッドのウィジェットが追加されています。
CE8.3で追加されたデモモード用のシミュレータに簡単にアクセスできるようになりました。Touch 10 に出力することにより、仮想的な部屋に典型的な会議室操作が利用可能です。このシミュレータは Web UI、 Integrations > In-Room Control で chrome ブラウザを利用してアクセスすることで利用可能です。
そのほかの変更
HTTPS クライアント証明書のサポート
クライアント証明書の確認を有効化することで、システムはユーザにクライアント証明書を必須にすることができます。CA証明書が必要でコーデックにアップロードすることが必須です。LDAP 認証を利用し、LDAPユーザを確認する場合に利用されます。
ブリーフィングルームコントロール
ブリーフィングモードは In-Room Control パネルから有効化できるようになりました。なおこの機能を利用するにはCE9 にアップグレード後に使用します。以前のバージョンでブリーフィングモードを有効化し、アップグレードした場合、無効化してから有効化しなおす必要があります。
Web UI: ローカル連絡先 (Local Contacts) が お気に入り (Favorites)に変更
Touch 10および Web UI の電話帳ローカルストアの呼び名を変更しました。
また、TRC6/Touch10での階層表示(フォルダ)も利用可能です。
ポルトガル語のサポート