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はじめに
このドキュメントでは、LAN ネットワーク上のネットワーキング用に UCS を設定するための手順と概念を説明します。LAN 環境では、さまざまなアプリケーションや目的に応じて設定の異なる多くの VLAN が存在する可能性があります。たとえば、ある VLAN は VMware ESXi サーバの管理およびアクセス用に設定され、別の VLAN は仮想マシンとして VMware ESXi サーバ上で実行されているサーバ アプリケーション用に設定されます。
UCS では、VLAN の実装はエンドホスト モードの概念に影響されます。デフォルトでは、UCS システムはエンドホスト モードで動作します。エンドホスト モードでは、UCS 6100 シリーズ ファブリック インターコネクトは多数のアダプタを持った端末として外部の LAN に認識されます。
事前に次のドキュメントを読み、理解しておいてください。これから説明する概念の基盤となる情報が提供されています。
Deploying UCS Blade Server with UCS Manager for Virtualization
ネットワーク アダプタ
仮想マシン間の IP ネットワーキングは、ブレード サーバに搭載されている異なる種類のアダプタを介して行なわれます。4 種類のネットワーク アダプタがサポートされており、データセンターにおけるさまざまなワークロードに必要な機能を提供します。
1 UCS 82598KR-CI 10 ギガビット イーサネット アダプタ
2. UCS M81KR 仮想インターフェイス カード
3. UCS M71KR-E Emulex 統合型ネットワーク アダプタ
4. UCS M71KR-Q QLogic 統合型ネットワーク アダプタ
各アダプタの詳細な説明については、上記のリンクを参照してください。
UCS 82598KR は、デュアル ポート イーサネット接続を提供する 10 ギガビット イーサネット カードであり、効率的でパフォーマンスの高いイーサネット転送用に設計されています。ここで重要なのは、このカードはファイバ チャネル ポートを提供しないという点です。
UCS M71KR-E は、ブレード サーバ シャーシに対し、ミッドプレーンへのデュアル ポート接続を提供します。10 ギガビット/秒のイーサネットと 4 ギガビット/秒のファイバ チャネル トラフィック用ファイバ チャネル コントローラが、すべてこの同じメザニン カードに搭載されています。UCS M71KR-E は、2 つの別々のファイバ チャネル HBA ポートと、2 つの 10 ギガビット/秒のイーサネット ネットワーク ポートをオペレーティング システムに提供します。
UCS M71KR-Q は、ブレード サーバ シャーシに対し、ミッドプレーンへのデュアルポート接続を提供します。10 ギガビット/秒のイーサネットと 4 ギガビット/秒のファイバ チャネル トラフィック用ファイバ チャネル コントローラが、すべてこの同じメザニン カードに搭載されています。UCS M71KR-Q は、2 つの別々のファイバ チャネル HBA ポートと、2 つの 10 ギガビット/秒のイーサネット ネットワーク ポートをオペレーティング システムに提供します。
M71KR-E と M71KR-Q の唯一の違いは、前者には Emulex ファイバ チャネル コントローラがあるのに対し、後者には Q-Logic FC コントローラがあるという点です。
UCS M81KR カードは、デュアル ポートの 10 ギガビット/秒のイーサネット メザニン カードで、動的に構成可能な PCIe 仮想インターフェイスを最大 128 個までサポートします。
このドキュメントとその中で提示されている概念は、UCS M71KR 統合型ネットワーク アダプタに基づいています |
VLAN の実装
UCS では、各 VLAN は固有の ID で識別されます。この VLAN ID は、特定の VLAN を示す番号です。VLAN は、片方または両方のファブリック インターコネクトのどちらからでも表示されるように作成できます。両方のファブリック インターコネクトで、名前が同じで VLAN ID が異なる別々の VLAN を作成することもできます。UCS で VLAN を作成する際に、VLAN に名前も割り当てられますが、この VLAN の名前は UCS 環境内でのみ認識され、UCS 外部では固有の ID で表されます。
ガイドラインと要件
このドキュメントに提示されている設定とオプションは、次のガイドラインを順守して理解することを前提としています。
- UCS-6120XP ファブリック インターコネクト スイッチをエンドホスト モードにする必要があります。スイッチ モードの説明については、このドキュメントでは扱われません。
- このドキュメントでは、UCS Manager の GUI に基づく設定オプションについてのみ扱います。
- 複数の方法を使用して、同じタスクが達成されるように UCS Manager の GUI を設定できます。
- エンドホスト モードでは、6120XP に接続されたすべてのブレード サーバとインターフェイスが、6120XP に使用する一連の NIC カードのように見えます。
- ブレード サーバとアップリンク イーサネット スイッチ(Catalyst 6000 シリーズ または Nexus 5000 シリーズ)の間で、ピニングが継承されます。
- UCS で VLAN を作成すると、設定済みの VLAN も自動的に許可されます。
- UCS システム内の vNIC は、ホストが提供する PCI デバイスで、UCS Manager により一元的に管理されます。
アップリンク スイッチ設定
アップリンク スイッチ(たとえば Catalyst 6500 シリーズ)に適切な VLAN が作成されていることを確認してください。
次の抜粋は、Catalyst 6500 シリーズの構成を示しています。
interface TenGigabitEthernet5/2 description Connected To: UCS-6120-XP Fabric Interconnect Port 20 switchport switchport trunk encapsulation dot1q switchport mode trunk spanning-tree portfast edge |
show vlan VLAN Name Status ---- -------------------------------- --------- 433 CVP_TestBed_VLAN active 100 Management VLAN active |
UCS Manager を使用した UCS ファブリック インターコネクトの設定
サービス プロファイルを設定する前に、必要なすべての VLAN を作成しておくことを強く推奨します。
- 次の図に示すように、UCS Manager 内の [LAN] タブの下に、共通/グローバル VLAN を作成します。
- 共通/グローバル VLAN は、その名前が示すように、両方のファブリック インターコネクト スイッチで表示されます。
- この VLAN(たとえば VLAN 433)は、[Servers(サーバ)] タブでも表示されます。また、正しい VLAN ID が入力されていることを確認してください。
- 次の図に示すように、UCS Manager 内の [Equipment(機器)] タブで VLAN が適切な vNIC 下に表示されていることを確認して、詳細な検証を行うことができます。
- 上記の構成により、仮想マシンはデフォルト ゲートウェイに ping を実行できるようになり、IP 接続が完了します。
サービス プロファイル作成後の VLAN 作成
前述のとおり、サービス プロファイルの作成前に、すべての VLAN を作成しておくことを推奨します。ただし、UCS には、新しい VLAN を受け入れて既存のサービス プロファイルに適用できる柔軟性があります。したがって、この状況では多くのことを考慮する必要はありません。
サービス プロファイルの作成後に VLAN を設定する場合、または「新しい」VLAN がブレード サーバの vNIC にバインドされていないことに気付いた場合は、vNIC の設定を変更して、新しい VLAN を追加することにより解決できます。
UCS Manager 内の [Servers(サーバ)] タブの下に「新しい」VLAN が表示されているかどうかを確認してください。次の図では、「新しい」VLAN 433 が表示されていません。
- vNIC 設定オプションの [Modify(変更)] をクリックします(上の図を参照)。
- 次に、[Modify vNIC(vNIC の変更)] 画面が表示されます。
- [VLAN Trunking(VLAN トランキング)] オプションにチェックマークが入っていて、ネイティブ VLAN が IP ネットワーク ポリシーに従って正しく選択されていることを確認してください。次に、「新しい」VLAN(この場合は VLAN 433)にチェックを入れます。
- これにより、vNIC に新しい VLAN が追加されます。
関連ドキュメント
UCS B シリーズ ストレージエリアネットワーキングの理解と導入(日本語翻訳版準備中)
英語版: Understanding and Deploying UCS B-Series Storage Area Networking