本文書は、UCS C240M3サーバーのマザーボード交換手順について説明します。
[交換時の注意点]
- マザーボードとシャーシがセットで届きます。シャーシからマザーボードを取り外さず、そのままシャーシごとマザーボードを交換します。
- TPM(Trusted Platform Module)を搭載しているサーバを交換する場合、TPMは交換後に載せ替えが出来ないため、マザーボードと併せて手配する必要があります。
TPMが搭載されているかどうかの確認方法は、本ドキュメントの最後をご参照ください。
- マザーボードの交換では、CPUの載せ替え作業が発生します。そのため、以下のCPU載せ替えツール、グリース、グリースクリーナーも用意する必要があります。
- CPU載せ換えツール
UCS-CPU-EP-PNP= (10-, 8-, 6-, 4-, or 2-core CPU 用)
UCS-CPU-EP2-PNP= (v2 12-core CPU 用)
- グリース
UCS-CPU-GREASE2= (赤キャップ)
- グリースクリーナー
UCSX-HSCK=
[作業前]
- FE 作業
- CIMC の [Server] タブで [Faults and Logs] メニューを選択し、右画面の [Fault Summary] を確認して、Fault の有無を確認します。
- 交換後に元のバージョンへ戻せるように、CIMCのRunning Version(AdminタブのFirmware Managementメニュー)を確認します。
BIOSやその他Firmwareのバージョンについては、CIMCのバージョンによって一意に決まるので確認不要です。
[作業手順]
- お客様作業 (FE 作業前)
- OS のシャットダウンおよび電源の停止します。
- CIMC の設定を必要に応じて下記ページご参照の上バックアップを取得します。
- CIMCの設定のバックアップとリストア方法
https://supportforums.cisco.com/ja/document/11937806
- CIMC の画面から、[Admin] タブ配下にある [Network] から以下の情報を控えていただき、作業員にお伝えください。CIMCにIP接続できるようにするために最低限必要な情報となります。
- NIC mode:
- CIMC IP:
- Prefix/Subnet:
- Gateway:
- NIC redundancy:
- Port Properties:
- VLAN Properties:
- FE 作業
- ケーブルが元の状態に戻せるように、ラベリング処理をします。ハードディスクについても元の位置に戻す必要があるため、ラベリングを実施します。
- 機器の電源が off であることを確認し、サーバーの後方にある電源コードを外します。ネットワークケーブルなど、他のケーブルを全て外します。
- サーバー前面の以下の赤で囲んだラッチ部分を引き上げ、スライドレールに沿ってサーバーをラックの前面に引きます。
- 以下の図を参考に背面の Captive thumbscrew を緩めた後、Release button を押しながらサーバーの背面に向かって Server Top Cover を1,2センチほどずらし、その後トップカバーを上に引き上げて開けます。
- 対象の機器から、装着されてある下記の FRU を外します。
- Power Supply
- HDD / SSD
- RAID Controller BBU / SuperCap
- Memory DIMM
- Mezzanine Card
- Flexible Flash Card
- PCIe Riser Card
- SCU Upgrade ROM Module / Software RAID Key Module
- Heatsink / CPU (*1)
*1) CPU 及びヒートシンクを取り外した後、付着したサーマルグリースは
グリースリムーバーを使用して入念に拭き取って下さい。
交換用ブレードに装着する際、CPUのピンにグリースが
付着していないことを確認して下さい。
ピンにグリースが付着していると、CPUが認識されず、サーバが
起動出来ない原因となります。詳しい情報は下記弊社資料を
ご参照ください。
- UCS CPU サーマルグリースの除去と塗布
https://supportforums.cisco.com/ja/document/123274868
それぞれの FRU の具体的な取り外し及び取り付け手順については以下のドキュメントをご参照下さい。
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12703696
- 備品機器の天板を外し、[5.] にて外した FRU を装着します。
- 備品機器に天板を戻します。
- FRU 装着完了の備品機器をスライドレールに沿ってラック側に戻します。もし戻らない場合には下の図の①のインナーレイル上の②のボタンを押しながら、サーバーを押して元のラックに戻します。
- 電源コード以外のケーブルをラベリング通りに戻します。
- 電源コードを Power Supply に確実に装着します。
- 電源ボタンを押し、機器を起動します。
- BIOS 画面に入り、サーバの時間をUTC(日本時間 - 9時間)で設定します。
時間の設定方法については、下記の弊社資料をご参照ください。
- [UCS] UCS C-Series サーバーの BIOS 設定方法について
https://supportforums.cisco.com/ja/document/1238814114
- CIMCの初期設定を行います。設定方法については、下記の弊社資料をご参照ください。
- [UCS] UCS C-Series サーバーのCIMC初期設定方法について
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12397276
- CIMCやBIOS、Firmwareのバージョンを、確認しておいた元のバージョンへ変更します。変更方法は、バージョンに従って以下のドキュメントをご参照ください。
- Host Upgrade Utilityを使用したFirmwareのアップグレード
-- CIMC 2.X
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12526021
-- CIMC 1.5
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12401416
-- CIMC 1.4
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12390796
[作業後確認]
- お客様作業
- CIMC の設定を必要に応じて下記ページご参照の上バックアップからリストアします。
- CIMCの設定のバックアップとリストア方法
https://supportforums.cisco.com/ja/document/11937806
- OS が正常に起動することを確認します。なお、マザーボードを交換後、オンボード NIC の MAC address が変わるため、ご利用の OS によってネットワークインターフェイスの再設定を行う必要がございます。
詳しい設定手順は各 OS ベンダーが提供している文書をご参照ください。
- TPM を搭載していて、且つ交換前に有効になっていた場合は、以下のドキュメントをご参照の上、TPMの再設定も行ってください。
https://supportforums.cisco.com/ja/document/12110086
- FE 作業
- CIMC の [Server] タブで [Faults and Logs] メニューを選択し、右画面の [Fault Summary] を確認して、交換作業前と比べて、新しく Fault が発生していないことを確認します。
[C240 M3のTPM搭載有無の確認方法]
・CIMC GUIで確認する方法
InventoryメニューのTPMタブで、Presenceがequippedになっている場合、TPMは搭載されています。empty の場合は非搭載です。
・CIMCのログから確認する方法
センサー情報のFM_TPM_CARD_PRSが0x0200の場合、搭載されています。0x0180の場合は非搭載です。
FAN6_SPEED | 10400.000 | RPM | OK | 800.000 | 1200.000 | 1600.000 | na | na | na |
FM_TPM_CARD_PRS | disc -> | discrete | 0x0200 | na | na | na | na | na | na |
VRD_P1_VRHOT | disc -> | discrete | 0x0100 | na | na | na | na | na | na |
[参考資料]
- Cisco UCS C240 M3 Server Installation and Service Guide
http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/unified_computing/ucs/c/hw/C240/install/C240/install.html