2009年 6月12日(初版)
TAC SR Collection |
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主な問題 | NM-1A-OC3-POM モジュールにて、比較的低い設定 rate(10Mbps 以下)を持つ PVC を経由する通信のパフォーマンスが、ドロップや遅延などの影響により、悪くなる場合があります。 本事象は、CSCsd73749 として報告されています。 NM-1A-OC3-POM モジュールの SAR メカニズムは、各 PVC 毎にそれぞれ一つのキューを持ちます。それらのキューは、二つの threshold によって管理されています。 •High watermark •Low watermark 高ウォーターマークは、キューが保持できる最大値となります。キューの保持するセルが高ウォーターマークに達した場合、SAR は、キュー ドロップを防ぐために、これ以上、パケットを送らないよう IOS に対し通達します。(throttle close) この際、SAR に到達できず溢れたパケットは、別途 IOS ホールド キューに保持されます。再び SAR のキューが低ウォーターマークに達した場合には、throttle をオープンにします。 つまり、高ウォーターマークが小さく、高ウォーターマークと低ウォーターマークの間隔が短い場合などにおいて、直ぐにキューが枯渇し、ドロップや遅延が発生しやすくなります。そのため、例えば 1Mbps 以下の PVC の場合、高ウォーターマークと低ウォーターマークのデフォルト値は、それぞれ 50 と 10 となっており、キューの枯渇がしやすくなります。結果、パフォーマンスの低下が発生します。 対象製品: CISCO3800 シリーズ + NM-1A-OC3-POM(=) All IOS version |
解決策 | CSCsd73749: NM-1A-OC3-POM::High Latency and Output Drop rate for low bandwidth PVC 本事象は、CSCsd73749 として報告されており、修正が行われています。修正済みバージョン以降では、高ウォーターマークおよび低ウォーターマークを調整するために queue-depth コマンドが追加されています。コマンドに関する詳細は、 NM-1M-OC3-POMの透かしCLI を参照してください。 ご利用の PVC の設定 PCR が低く、予期せぬドロップや遅延などの影響によりパフォーマンスが低くなる場合には、上記のサイトを参照し、queue-depth の値を変更し、最適な値を評価してください。 なお、特権モードにて debug atm oc3 pom sar をセットし、PVC のコンフィグレーションモードにて、VBR-nrt や CBR、UBR などの PCR を設定後、コンフィグレーションモードを抜けることで、以下のようなデバッグが出力されますので、現在の設定値を確認する事が出来ます。 *Feb 21 08:39:41.539: ATM2/0: HI/LO watermarks: 226/113; PeakRate: 12000 |
備考
掲載元: TechNews 2007 年 2 月号 No.0702-0003