本ドキュメントでは、Mobility Express 環境における冗長構成について
記載します。
*本ドキュメントでは、バージョン8.3.112.0 を用いております。
// 事前準備 //
冗長構成を形成するために、特別な設定は不要となりますが、
Mobility Express 環境に属する2台以上のAP のイメージを
MOBILITY EXPRESS CAPABLE に変更する必要がございます。
AP が上記のイメージになっているかを確認するためには、以下の箇所を
確認してください。
AP# show version
:
AP Running Image : 8.3.112.0
Primary Boot Image : 8.3.112.0
Backup Boot Image : 8.3.112.0
AP Image type : MOBILITY EXPRESS IMAGE
AP Configuration : MOBILITY EXPRESS CAPABLE
*もし、上記の表示になっていない場合は、以下のURL を参考にイメージを変更してください。
[Mobility Express への変換方法]
https://supportforums.cisco.com/ja/document/13079601
// 動作概要 //
Mobility Express をサポートしているAP1830,1850,2800 及び3800 シリーズの
アクセスポイントは、VRRP を用いて冗長構成を形成します。
1.起動しているMaster AP に対して、再起動や上位スイッチのポートがダウンしてしまい、通信障害が発生したとします。
2.Master AP に障害が発生し、Master AP と通信が出来なくなった事を検知したAP1 または AP2 は、あるルールに基づいて、一方がMaster AP に切り替わります。
この際に、Master AP に設定されていたIP アドレスや設定は引き継がれます。
3.障害から復旧したMaster AP は、新しいMaster AP に対して、帰属をして無線サービスを開始します。
// Master AP 選出について //
Master AP (WLC) が選出される優先順位は、下記の通りとなっています。
1.ユーザ定義
Master AP のGUI にアクセスをして、以下の箇所で設定が可能です。
ワイヤレス設定 > アクセスポイント > 編集ボタン > Make me Controller をクリック
*上記の設定は、再起動が必要となります。
CLI では、以下の方法にて、設定が可能です。
(Cisco Controller) >config ap next-preferred-master <Cisco AP Name>
*上記の設定は、再起動が必要となります。
2.AP の型番
Master AP になれるAP の型番がいくつか、同じネットワーク内に存在する時は、以下の順に優先順位が高くなります。
AP3800 > AP2800 > AP1850 > AP1830
3.クライアント接続数が少ないAP
4.MAC Address が小さいAP
上記の優先順位を踏まえて、以下にいくつかの例をご紹介します。
例1.
例1の場合、Master AP に障害が発生した際には、優先順位が1番高いユーザ定義がAP2 に対して、設定されているため、AP2 がMaster AP として選出されます。
例2.
例2の場合、Master AP に障害が発生した際には、ユーザ定義がなされていないかつ同型番のAP を使用しているため、3番目に優先順位が高いクライアント接続数の少ないAP がMaster AP に選出されます。そのため、例2では、AP1 がMaster AP に選出されます。
参考URL
http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/controller/technotes/8-3/b_Cisco_Mobility_Express_Deployment_Guide/b_Cisco_Mobility_Express_Deployment_Guide_chapter_01001.html